2014年9月6日土曜日

神々の明治維新 神仏分離と廃仏毀釈  安丸良夫 著 岩波新書

神々の明治維新 神仏分離と廃仏毀釈  安丸良夫 著 岩波新書

 自分なりにまとめてみた。ーーーー宗教的な出来事を通して明治維新をみた 

確りとした本でした。 各宗派、各地方、役人の細かなやりとりが 書かれてい

る。  封建社会から 近代社会、中央集権国家、西洋文明、西洋から侵略され

ない政治体制に変化していく日本を描いている。 国体というあらたな価値観を

作っていく過程が描かれている。当初はあらたに造り上げられた国家神道による

宗教国家をめざそうとしていた。しかし、キリスト教中心の西洋諸国から見ると

国家神道が教理のハッキリしない、多神教で、神話の世界から出発した 劣った

宗教と 見なされていくことがわかってきた。 また、真宗の組織力、財力、国

家権力に対する柔軟性、教理に対する柔軟性が 国家と争うことなく 権力側に

入り込んでしまった。ーーー 



 最後に 210ページ ーーー神仏分離以下の諸政策は、国民的規模での意識

統合の試みとしては、企画の壮大さに比して、内容的にはお粗末で独善的、結果

は失敗だったとも言えよう。しかし、国体神学の信奉者たちとこれらの諸政策と

は、国家的課題にあわせて人々がこうした立場からの暴力的再編成を拒もうとす

るとき、そこに提示された国家的課題は、より内面化されて主体的にになわれる

ほかなかった。国家による国民意識の直接的な統合の企てとしてはじまった政策

と運動は人々の”自由”を媒介とした統合へとバトンタッチされて、神仏分離と

廃仏毀釈と神道国教化政策のレシは終わった。ーーー


 私は キリスト教中心の西洋諸国からの揺さぶりがあったにせよ、農民、武家

、公家、商人 あらゆる階級が 江戸期までに蓄積された 内面のエネルギーを

爆発させていったように思った。

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