2021年10月22日金曜日

本 エッセンシャル仏教 デールSライト 佐々木閑監修関根光宏杉田真訳 みすず書房

 大乗仏教がなぜ生まれそれまでの仏教となぜどこが違い 、違いがなぜ生まれたのか 明確に書かれている。

p103

三・十五 仏教では信仰に役割はあるのか? あるとしたらどんな役割か?

 この質問に対するシンプルな答えは「ある」である。もちろん、仏教の修行には信仰心がともなう。しかしそれよりも、仏教徒が信仰をどのように理解しているのかをはっきりさせることが重要だ。古い仏典には一般に「信心」と訳されるパーリ語およびサンスクリットの単語がいっくつか見られるが、それらを仏教で最もよく知られ最も強調される概念だと主張する人はいないだろう。それでも、信心が果たす役割はとても重要だ。仏典における「信心」という単語の最も重要な意味は、教えの実践への積極的な関与、あるいは献身である。この種の信心は修行を開始する継続する動機づけに不可欠だ。仏教の学習や修行がなんらかのかたちで役立つという確信が持てない場合も、心配することはない。覚悟を決め、規律ある方法で教えに従うには、信心のような献身的は行為も必要になる。そのため、仏教徒は早い段階から新人が修行に欠かせない要素であることを理解していた。

 のちの仏教徒は仏教徒としての第一歩が最も重要な段階だと認識を強調した。彼らはそれを「悟りの思考」あるいは「悟りへの願望」と呼んだ。悟りに大きな可能性があると考えてない人や、悟りをひらいた人生がどのようなものかを想像できない人は、前進する意欲や能力を欠いている。追及する価値があるという強い思いがない限り、人がその対象に向かって努力することはない。悟りに対してそのような考えを持つことが出来れば仏教徒としての第一歩を踏み出せる。。。。。。。

三・十六 大乗仏教とそれ以前の仏教を区別する教えは何か?

仏教の実践方法の多様性については、仏教そのものと、同じくらい長い歴史がある。地域差だけでなく、言語、経済体制、階級、先行する宗教から受け継いだものの違いなども、ダルマの理解に影響を及ぼした。だが、紀元前一世紀ごろに、顕在化したと思われる実践方法の違いが仏教内の根本的は分裂として表面化することになる。そして仏教を理解し修行するための初期の方法に対して一部の比丘たちが浴びせた批判が上座仏教(小乗仏教)とは大きくことなる「大乗仏教」と呼ばれる運動を引き起こした。大乗仏教の教えは、仏教が中央アジアや東アジアなどに広がるにつれて、紀元後の数世紀のあいだにインドなどで発展した。ここでは大乗仏教に見られる八つの新機軸について見てみよう(そのうちのいくつかは、この後の節でさらに詳しく取り上げることにする。)。。。。。。。。。。

ーーーーーーーこのあと 宇宙観 菩薩道 慈悲の誓い(個人的な悟りから悟りが衆生の権利と考える) 乗り物 無常縁起無我の拡大解釈としての空性 方便 律の変化 出家と在家の違いの重要性の減少 仏性  が 述べられていく。ーーーーーーーーー

引用が長くなりましたが ここは 日本の大乗仏教を考えるうえで 重要なところなので、ぜひ本文をゆっくり読んでほしいです。

 日本語で書かれていないお経  中国語やパーリ語、サンスクリット語で書かれている。口伝で伝わるお経 。ましてブッダ自身の著作物はない。  いろんな研究で 仏教の理解が深まり、仏教自身も変化していきます。 おわりがありません。


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