この本の 緒言
p9 だが 「無」文字社会という、文字をもつ社会の側からの「欠落」を指標とするネガティヴな規定は、そのように規定された社会がもっている、音、身体表現、図像等を媒体としたコミニュケーションの総体を、自立したポジティヴなものとして対象化する前提としてふさわしくないといえる。
これを 証明するために本書が書かれたと 私には思える。これから ゆっくり読もうと思う。
一方 口頭伝承になぜ 興味をもっとかと言うと、仏教の伝わり方に興味があるから。もう一つは口頭伝承でわざわざ文字を使わないというのは何故かという疑問だ。同じ時代に2つの勢力があって一方が強く、一方が弱い勢力とする。 弱い勢力は 口頭伝承で その勢力の歴史、考え方、後継者を残す方法、宗教などを 次世代に伝えて行けば 強い勢力から 侵略されず 残っていけるのでは無いかと考えたと 想像できるからだ。しかしそれを証明はできない。が例を上げることはできる。
1.日本列島におけるヤマト王権、日本政府と アイヌの関係
2.日本列島のヤマト王権と出雲神社を継承する家
3.北インドのバラモン既成勢力と新興ブッダ勢力 結集などの口頭伝承
4.バラモン強力口頭伝承既成勢力 と 文字を使うヒンドゥー化した大乗仏教の滅亡
5.この川田順造氏の研究されたアフリカ「無」文字社会
6.その後川田順造先生の弟子が いて 「無」文字社会 の 例を たくさん発見して その意義について もっと研究されているかもしれないという 期待もある。