2022年2月3日木曜日

本 仏菩薩の名前からわかる大乗仏教の成立 田中公明 著 春秋社

 久しぶりの仏教関連のまじめな本だ。 うそにうそを塗り固めた 日本の一般向け仏教書が ほとんどだが この本は 久しぶり に まじめな方が ゆっくり調べて 出版している。どの宗派とも 利益相反はなさそうだ。 日本列島に仏教が伝わったり、仏教を信じる集団がやってきた 6世紀には ほとんど 大乗仏教は 完成していたと思われる。 残っている仏像を見ても 弥勒菩薩、なんちゃら観音 などが 多い。さらに密教も平安初期には入ってきて、日本は大乗仏教で埋め尽くされてしまった。そんな中で 近代現代のイギリス、フランス、アメリカなどから 大乗仏教以外の 経典やサンガ、律 などの 報告が 大量に日本やってきた。日本の研究者も盛んに 研究をするようになった。 日本人の大多数が信じる 浄土教、大乗仏教は どこで どんな風に始まったのか 誰もが 知りたい 事だ。 著者は 大乗仏教のお経さんの冒頭に書かれた、菩薩などのなまえ、 曼荼羅に書かれた無数の菩薩に 目を向けている。対告衆と呼んでいる。 お経に目をむけると 冒頭に たくさんの名前が出てくる。 中身の貧弱なお経の権威を高めるために たくさんの 菩薩たちが集まって賛同したと書いてある部分だ。 はやく 中身を言うたらどうなのかと思うくらい、ぐっちゃらぐっちゃら 名前が 続くのである。  著者は その 名前に注目して 権威を与えた 、言い出しっぺは誰なのかを 追及して、研究しているのだ。

 文献もコンピュータ検索が可能になってきて、 結構自宅にいて 研究もある程度できるようになってきている。  

どんな 風に展開していくのか 楽しみだ。 私は サンスクリット語 も 漢文もちんぷんかんぷん、仏像の記憶もあいまい。  研究者の調べて考察したことを かじっているだけだ。


0 件のコメント:

コメントを投稿