2022年1月26日水曜日

再び同じ本 変わるイスラーム源流進展未来 レザーアスラン著 白須英子訳 藤原書店

 この本の日本語訳のまえがきには イスラムの歴史 ウサマビンラディンがなぜ現代に出てきたのかがわかりやすく短く書いてある。

1.イスラム イスラームの 祈りその他生活のすべてを指導する神学校があり学者がいた。手引書が イスラーム法シャリーア。  わからないことがあれば 学者先生にお伺いを立てた。

2.宗教改革現象がかつてキリスト教、ユダヤ教で起こったがすでに終わり、現在イスラム教では進行中である。結果として宗派、分派、分裂が生ずる。 信仰の意義を 定義するのが 機関であるか 個人であるかに 起因する。 この著者の論点の特徴であり 理解するのに時間がかかる。

3.預言者アブラハム モーセ、イエス、ムハンマドは あらたしい宗教機関ないし制度習慣を創設し宗教改革を先導した。そしてあたらしい宗教機関、宗派が出来上がってきた。

4.イスラームは 今まで 単独の宗教権力機関を持つことはなかった。 キリスト教は長期間に渡って政治宗教が 一体となってきた。宗教権力機関である。 ローマ教皇、バチカン。

5.ムスリムの宗教指導者 学者先生は あくまで学者であって聖職者ではなかった。宗教的知識を 独占してきた。

6.現代、西欧とイスラムの国境を巡る争いを継続的に行ってきたが それに変化が出てきた。

7.世界的な識字率の上昇。企業、文化のグローバル化、インターネットの発達 。これらは 伝統的宗教機関の宗教的権威を侵食していった。

8.それまでアラビア語に限定されていたクルアーンが 多言語に訳され 男性、女性にどんどん開放されていった。宗教的権威、知識ともに 開放されていった。 キリスト教が教皇権威が失墜し聖書ならびに 聖書の教えが開放されていったのに 似ている。本や印刷術が大きく貢献していた。 

9.インターネットの発達、利用 は 宗教指導者の秘密の知識を 殆どの人に

開放していった。 イスラムに対する疑問が 簡単に ネット情報を見ることによって解決するようになった。 学者の権威は失墜、権威に頼ってお伺いを立てるより、自身が調べて自分が判断するようになっていった。   法的見解を探し求めるムスリム。という 存在が現れ増加した。

10.そういう宗教的個人主義を求める人々の中から ウサマビン・ラディンが登場してきた。 ウサマビン・ラディンは自分自身の法的見解を発行すると それに 賛同する人がたくさん出てきた。 なぜ賛同するのかは まえがきでは 書かれてはいない。 しかしウサマビン・ラディンの 見解は ジハードに対する原理主義的再解釈であったと著者は述べている。


以上がこの本のまえがきの要約と私の感想である。

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